「何してるの?」

 倉吉のイラッとする声で、おれの妄想がストップ。


 ゼロが持っているマッチ棒から、フワッと白い煙が上がり、落とす前に火が消えた。


「グズグズしないで、早く落としなさいよ」

 倉吉の苛立ちは最高潮。


「倉吉、自分でやったほうが早いぞ」


「うるさいわね!」

 おれが唆すと倉吉はゼロからマッチ箱を奪い、火を点け、再びマッチ棒を無理やり握らせた。


「さぁ、早く燃やして!」