ゴスロリ彼女のキスの味



「新しいおもちゃも出来たし、もう用済みよ」

 倉吉は醜い笑顔を見せ、居酒屋でもらえるような小さなマッチ箱を取り出す。


「零、おもちゃなんて言われ方されて黙っているのか?」

 おれの問いにゼロは俯いただけだった。


「もう密姫さんは私の言いなりなのよ」

 倉吉がグィとゼロの襟を掴んで引き寄せると、キスをした。


 ゼロは手で押して体を離そうとしていたのに、倉吉に激しく唇を押し付けられ、体を密着させられると、自ら倉吉の背中に手を回して自分からもキスを求めた。


 おれは未知の世界を目の当たりにして息を飲む。