「ご両親には申し訳ないけど、一足先に火葬にしてあげるわ」 ポリタンクのキャップを外し、倉吉は鉄格子に向かって液体をぶちまける。 バシャバシャと異臭を放つ液体は鉄格子の間をすり抜けて床を濡らす。 「これストーブの傍に置いてたけど、中身はガソリンなのよ。本当はポリタンクじゃなく、金属製の容器に入れないと駄目なんだけどね」 消防法の豆知識を披露しながら、空になったポリタンクを置く。 「この建物やおまえそっくりのフィギュアまで燃やしていいのか?」