「願い…田中君。罪を認めて。あなたが倉吉さんのお父さんを殺したと認めてくれたら、ここから出してくれるって。ねぇ、そうでしょ?」
前半部分はおれに、後半は倉吉の方に振り向いて確認するように訊く。
倉吉は不満そうではあるが首を縦に振った。
こんなところに閉じ込められているのは嫌だが、殺人を認めてしまうのはごめんだ。
記憶の棚を引っくり返しても屋上から先生を突き落とす映像が出てこないのだから、いくらゼロのお願いでも認めるわけにはいかない。
「おれは三船先生を殺していない」
おれはゼロを見詰めて否定した。



