「一番信頼していた人に裏切られる気持ちはどうかしら?」
倉吉が笑いを堪え切れないっといった感じで尋ねてくる。
「零に何をしたんだ?」
「あなたに見せた絵日記を蜜姫さんに先に見せてあげただけよ」
ゼロは倉吉を挟み撃ちにしようと冷静な判断をしておれの後を追うのをやめたが、おれより先に絵日記を見せられ、倉吉の昔話を聞いてしまったのだ。
「ゼロ!倉吉の書いた絵日記はデタラメだ。信用するな!」
おれは鉄格子にしがみ付いて訴える。
「無駄よ。あなたが破いてしまった絵日記の裏づけは、蜜姫さんが見てしまった記憶とちゃんと一致してるんだから」



