「また騙されるところだった」 一瞬でもまた倉吉を信じてしまい、モヤッとした気持ちを苦笑いで洗い流す。 「これを見たら思い出すんじゃないかしら」 倉吉は一枚の紙を鉄格子の隙間から投げた。 角が切り取られた白い紙がおれの足元まで滑り込んでくる。 裏からでも薄くクレヨンの色が見えた。 引っくり返して絵日記を見る。 男の人を後ろから突き落とそうとしている男の子と、その傍で座っている女の子の絵が描かれていた。 そして、下の文章にはこんなことが書いてあった。