なんだ?
自分に思い当たる節はない。
蜜姫零の方になにか原因があるのかと思ったが、彼女はニコリと笑顔を向けるだけでなにも言わない。
彼女はおれの方に原因があると思っているのだろうか?
平凡という言葉がぴったりのおれは家族に迷惑をかけ、学校を騒がすようなことはしてきてないし、自宅から60km離れた土地にまで噂が轟くほど目立つ存在でもない。
そうなると……。
ここで根掘り葉掘り聞いたところでプラスになることはないし、さっきのクラスメイトの反応はおれが神経質な視線を送ったせいかもしれない。作り笑いでその場の雰囲気を取り払うしかなかった。



