ポッカリ開いた真四角の穴を覗くと、板張りの階段が薄暗い空間に向かって延びていた。 内壁は漆喰の白い壁、天井も階段と同じ素材の板張り。 入口の数メートル先から裸電球が等間隔にぶら下がり、足元を照らしてくれているが頼りない。 ジャージのポケットからケーターを出し、バックライトの明かりを懐中電灯代わりにして進む。 痛々しい血の痕が階段の踏み板に残っていた。 途中、階段の踊り場のようなスペースに突き当たる。 のようなとは、踊り場に机と椅子が置かれ、普段から勉強している雰囲気を感じたからだ。