自分とそっくりな等身大フュギュアを倒し、床に仕組んである金具を回転させ、引っ張ると真四角に切り取られた床下パネルを蓋みたいに持ち上げる。 「逃がさないで!」 ゼロの声には力がみなぎっていた。 「本当に大丈夫なのか?」 「私もあとから追いかけるから心配しないで」 ゼロはゆっくり立ち上がり、問題ないことをアピールする。 「わかった」 後ろ髪を引かれる思いを振り払い、おれは倉吉を追うことにした。 見ると、倉吉の姿はすでにない。