ゴスロリ彼女のキスの味



 倉吉の短絡的な行動に同情するわけではないが、窓から下を見て確認するのは人としての道理。


 勝手に死なれては困る。


 倉吉の等身大フィギュアに触れないように歩き、おれとゼロは窓に近づく。


 ブワッと勢いのある風がまるで外を見るなとでもいうように襲ってきた。


 隣の雑居ビルに手を伸ばせばなんとか壁に触れることができる距離だが、どうやらビル風の抜け道になっているらしい。


 風が収まり、二人で下を見ると、野良猫くらいしか通れない狭い路地に倉吉の姿はどこにもなかった。


 風は神様からの警告ではなく、単なる自然現象なんだと安堵の気持ちが駆け抜ける。