ゴスロリ彼女のキスの味



 ゼロは日傘を構えたままおれを追い越して【支店長室】に入ったが、静止して言葉を失う。


 【支店長室】の広さは二十帖くらいでカニ歩きすれば通れるスペースが確保され、突き当たりに窓がある。


 生ぬるい風が部屋へ入り込み、ゼロの穿いている黒いスカートのフリルが揺れた。


 窓は昔ながらのデザインで上部が半円形、取っ手を掴んで下から上へ持ち上げて換気する仕組みらしい。


「あれを見て」

 ゼロは窓枠に引っ掛かっている白い生地の切れ端を指さす。


 窓から飛び降りた?!