おれは無言のままゼロの手を引っ張る。 「逃がさない!」 「逃げろ!」 おれはゼロの背中を押して先に行かせ、倉吉を迎え撃つために振り向く。 人間はおもちゃでも核兵器のような武器でも手にすれば使いたくなるのが性。 おれは体勢を逸らし、振り下ろされた果物ナイフの攻撃をかわす。 勢いが余り、前につんのめるところを踏ん張った倉吉は目を剥いておれを睨む。