痛みを忘れるくらい、おれやゼロへの憎しみが深いということなのだろうか?
「お互い相手を傷つけたことは都合よく忘れてしまってるらしいわね」
おれに同情するかのようなことを言ったあと、倉吉は深い傷を負った右の手のひらをオフホワイトのレーススカートの生地にペタッと付けた。
「そ、そうだな。嫌なことをされたことはいつまでも忘れないものだよな」
おれは後退りしながら、ゼロに近づき、手のロープを解く。
「ねぇ、見て。きれいな模様ができた」
倉吉は真っ赤な手形をペタペタとスカートに付け、ゾッとするような笑顔を浮かべた。



