「小学校のときのこと、何も覚えてないんだったわね」 倉吉は哀れむような目でおれを見詰めた。 そんな目で見るな! おれの心の中で拒絶反応が起こる。 過去にこんな目で見られて嫌な思いをした記憶がある、と心が訴えている。 「うっ……」 条件反射的に吐き気がおれを襲う。 吐しゃ物は口から出なかったが、脳の底に眠っていた記憶の断片が蘇ってきた。 おれが嫌いなモノ……魚……魚の眼……特にヒラメ……ヒラメ顔……知里……トモちゃん?!