「私は復讐のために復讐するの」 倉吉が決め台詞のようなことを言ったあと、「やめてぇ~」というゼロの悲痛な叫びが飛ぶ。 おれは反射的に駆け出した。 間に合ってくれ! 決して無人島で溺れているゼロを見捨てたようなことはしない! 「倉吉!やめるんだぁ~」 金庫室の大きな扉の陰にいた二人と目が合う。 おれは予想外の光景に困惑。 厄介なことにゼロは両手を後ろ手にロープで縛られて仰向けに倒され、倉吉は先端が曲がった皮むき用の果物ナイフを握っている。