それでも彼女を救ってやりたいという感情は消せない。


 感情の正体は単純明白。


 その感情は形のないものだから、表現方法がいまいちわからない。


「きっと後悔するわよ……これから何処に行くつもりなの?……私なら蜜姫さんの行動を読めるわよ」

 倉吉が叫んで、おれの足を止めさせようとする。


 ゼロの行き先を知ってるのはおれの方だ。


 紙切れには一言だけ“学校で待ってる”とだけ殴り書きがしてあった。


 おれをどうしても殺したいのだろうか?