いまは精神的なショックの方が遥かに大きい。 「ちゃんと確認してみたら?」 おれは倉吉に言われるがまま、紙袋から白いニットを出した。 ほんのり甘い香水の匂いがして、さっきまでゼロが着ていたものに間違いなかった。 うな垂れていると、白いニットに紛れていた小さな紙切れがフワリと地面に落ち、拾い上げた。 なにやら文字が書いてあって素早く目を走らせる。 倉吉は横を向いていたので紙切れの存在に気づいていない。