紙袋を受け取り、中を覗くと白いニットが丸まって入っていた。
衝撃を受け、フラ~と眩暈がするほど力が抜けた。
「きっと土管の中で着替えたのね」
倉吉が誰でもわかる推理を口にしたが、おれは立っているだけで精一杯。構っていられない。
「倉吉、少し黙ってくれないか」
おれは片膝を地面に付け、脱力感に耐えながら頼んだ。
「ケガしたの?」
倉吉は心配そうに尋ねる。
日傘で殴られたとき、肋骨がイカれたと思ったが、実際にヒビが入っていれば痛みはこんなものじゃないだろう。
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