同意の上でキスしたように見せるため、ウインクして“ありがとう”などと言葉を残したのだ。 おれはゼロになんて説明しようか頭を巡らせるが、視線が泳いでしまう。 「答えられないの?」 ゼロは強めの口調をおれに向ける。 「いや、違うんだ。倉吉が一方的に……」 言っている途中で、倉吉に全責任を押し付けるみっともなさだけが際立ってしまう気がして言葉を切った。 「ごめんね、蜜姫さん。田中君とキスしちゃった」 倉吉は腸が煮えくり返るような照れ笑いを浮かべる。