叩き割ってもよかったが、父親が気に入ってくれているということもあり、テレビの裏へ隠す程度にしておいた。 怒りのぶつけどころがない。 またしも電話が鳴り、自然と背筋が伸びる。 上から目線でガミガミと口うるさく怒鳴る倉吉の顔が浮かぶ。 この電話はきっと……。 嫌だなと思いながらもゼロのことだったら少しでも安心できる情報がほしい。 受話器を持ち上げた。 「もしもし……」