『そういう家族もいるわよ』 「……」 おれが焦ってメルアドの交換を要求していたら、ゼロはどんな顔をしていただろう。 俯いて困った顔をしたのか、笑顔で冗談を言って軽く受け流したのか……。 『ねぇ、ちょっと聞いてる?』 倉吉が苛立ち気味に尋ねる。 「あぁ、ごめん。考え事してた」 『ひどい!』 「ところでまだなにか用があるのか?」