「はっ??」

『もう・・・いやだよ・・・。

 お兄ちゃん、はやく帰ってきて・・・・・。』

「分かった。

 今すぐ行く!!」

俺は、急いでケータイを切った。


「ごめんっ!!
 送ってやれない!!」

「・・・大丈夫です・・・。

 話し声・・・聞こえました・・・。
 
 こっから近いですし、大丈夫です。」

「本当にごめんな。」

「ううん、大丈夫ですよ・・・。

 妹さんのところに行ってあげてください。」

「ありがとっ!

 また明日、迎えに行くから!!!」

「・・・はい、待ってます。」











これが、俺と沖野さんが会話した、最後の言葉だった。




なんで、寄り道なんてしたんだろう。


なんで、最後まで送ってやんなかったんだろう。











沖野さん、なんで待っててくれなかったんだ・・・?