「拓って言うんだけどね、渡月拓」
渡月・・・拓。
「道を渡るに月って書くんですか?それでキムタクの拓」
「あぁ、そうだよ」
トヅキタク。
渡月拓。そんな名前、どこにでも居る名前じゃない。
この人、拓の・・・
「わがままでねー、毎日夜中まで遊び狂ってやがる」
何も返す言葉が見つからず、ただただ呆然としているとスタッフが声をかけた。
「真希さん」
いきなり声をかけられて驚いた私は、持っていたグラスを手から滑らせた。
グラスが落ちて床に破片が散らばった。
周りのお客さんの視線に気付いて、やっと我に返る。
「ごめんなさい・・・すいません」
慌てて謝り、破片を拾おうとするとガラスが指に刺さる。
「今片付けますんで、このままにしておいて下さい」
空いた席へと移され、席を見るとスタッフがちりとりで破片を片付けていた。
「大丈夫?真希ちゃん」
渡月さんが声をかけてくれた。
「すいません・・・、あたし・・・」
その言葉の続きが見当たらない。
見渡せば、さっきのことなんて何もなかったかのようにみんなが笑っている。
「ちょっと疲れてるんじゃない?無理しなくていいよ、そろそろ俺出るわ」
お客さんにまで気を遣わせてしまった私。
外まで見送って、お礼をする。
「また来てください、是非お待ちしてます」
「うん、またね真希ちゃん」
タクシーに乗り込む渡月さんを見送りながら思う。
出会ってはいけない人に出会ってしまった。
この人が本当に、拓の父親であるならば私はきっと拓のことについて知らぬ間に聞いてしまうことになる。
最悪だ、こんな出来事。
渡月・・・拓。
「道を渡るに月って書くんですか?それでキムタクの拓」
「あぁ、そうだよ」
トヅキタク。
渡月拓。そんな名前、どこにでも居る名前じゃない。
この人、拓の・・・
「わがままでねー、毎日夜中まで遊び狂ってやがる」
何も返す言葉が見つからず、ただただ呆然としているとスタッフが声をかけた。
「真希さん」
いきなり声をかけられて驚いた私は、持っていたグラスを手から滑らせた。
グラスが落ちて床に破片が散らばった。
周りのお客さんの視線に気付いて、やっと我に返る。
「ごめんなさい・・・すいません」
慌てて謝り、破片を拾おうとするとガラスが指に刺さる。
「今片付けますんで、このままにしておいて下さい」
空いた席へと移され、席を見るとスタッフがちりとりで破片を片付けていた。
「大丈夫?真希ちゃん」
渡月さんが声をかけてくれた。
「すいません・・・、あたし・・・」
その言葉の続きが見当たらない。
見渡せば、さっきのことなんて何もなかったかのようにみんなが笑っている。
「ちょっと疲れてるんじゃない?無理しなくていいよ、そろそろ俺出るわ」
お客さんにまで気を遣わせてしまった私。
外まで見送って、お礼をする。
「また来てください、是非お待ちしてます」
「うん、またね真希ちゃん」
タクシーに乗り込む渡月さんを見送りながら思う。
出会ってはいけない人に出会ってしまった。
この人が本当に、拓の父親であるならば私はきっと拓のことについて知らぬ間に聞いてしまうことになる。
最悪だ、こんな出来事。


