…気づいたら椎名は交番の布団の中にいた。


外からは男の声と如月の話し声が聞こえる。

おそらく送り届けてくれた封花隊の人間が如月に事情を説明をしてるみたいだ。



椎名 純一
『…………………。

椎名は自分の手を見た。
一何も汚れがついてるわけでも無い。


だが、この手が1人の少女を殺した。



椎名は若いとはいえ、かなりの事件に関わったが…まだ1度も人をあやめていない。


……抵抗する犯人に対して威嚇射撃はあるが…人間に当てたことは無い。




正当防衛でも…殺意が有っても…『命』の重さは変わらない。

今、その『命の重さ』に潰されそうになっていた。



椎名 純一
『…どうすればいいんだ?遺族に謝罪…?


椎名の頭の中はこんがらがっていた。

いつの間にか如月と男の話し声が聞こえなくなっていた。


同時に障子を叩く音が聞こえた。

如月 卯月
『…椎名さん…起きてます?


椎名 純一
『………………ああ。

返事をすると障子が開いた。


如月 卯月
『椎名さん…事情は聞きました、その…まさか襲われるとは…。

椎名 純一
『忠告を無視した俺が悪い…如月、面倒かけて悪かった。礼に俺が調べた内容を伝える。