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『失礼します。
中に入って来たのは全身黒いレインコートと不気味な仮面に包まれた男、『封花隊』の1人だった。
レインコートの男
『対象を監視していましたが特にめぼしいこともありません。通話記録も確認しましたが…電話も使用されていませんでした。
対象とはこの村に足を踏み入れた二人の外部の人間。
男
『…分かった。下がっていいぞ。
レインコートの男
『はい、では失礼します。
再びレインコートの男は一礼して障子を閉めた。
ガヤガヤ…ガヤガヤ…
老人たちが再び議論始めた。
男
『もういいだろう…。
男が目を開けると議論の声は消えた。
男
『今日の会合は外部の人間の話だ…今のところは連中が静かにしてる以上、我々が手を加える必要はない。
周りの老人たちも無言で頷いた。
男
『…夏が近づくと「液」を持ち込む外部の人間が増える。各自、監視を強めろ。
同じように老人たちは頷く。
男
『もう夜更けだ、今日の会合は終わりにしよう。………椿、お前から何か言うことはあるか?
男は隣に座る椿と呼ばれた少女を見た、沈黙を守っていた少女は着物の裾を直して立った。
椿
『各自治会の皆様、こんな遅くまでご苦労様でした。この「六十院 椿」が代表して会合の終わりを告げます。お疲れ様でした。
椿が頭を下げると場にいた全員が深々と頭を下げた