トリップ


交換が終わると、キャプテンは携帯をシュンリの前に突き出した。

「キャプテン・・・?」
「・・・何かあったら・・・すぐうちに相談しやーよ。」

完璧に悲劇モードになっているキャプテンは、目をウルウルさせて言う。

「アノ、キャプテン・・・」
「大丈夫!無理に言わんくてもいいで!こーゆーパターンは小説や漫画でよく見たで分かる!」

シュンリはキャプテンの言っている意味がよく分からなかったようだが(というより、分からないのが普通だ。)、シュンリは何ともない顔で近くに落ちていたゴルフバックをてにもつ。たぶん自動ドアに挟まった時に落ちた物だろう。

「何デモイイケド、私、時間ダカラモウ行クネ。」
「そう・・・なんかあったら言うんやで!」

またしても言っている意味が不明だったようだが、シュンリはコクリとうなづくと、そのまま漫画喫茶の更に上へと上っていった。

漫画喫茶に用があるのではなかったのかと思うキャプテンだが、時間がたつにつれ、段々上でシュンリが何をしているのかが気になってきた。

(まさか・・・)

キャプテンが唾を飲み込んだ。
もしこの上の階がホテルだったら・・・。
いつも妄想の激しいキャプテンは、そんな被害妄想(他人)に焦り、急いで上に上がる。