親は居ない。そう言ったシュンリの目には何も映っていなかった。
他人事のような目でこちらを見る。
「キャプテン?」
シュンリがキョトンとした顔でこちらを向く。
キャプテンより少し低めの体を伸ばし、目を合わせようとする。
「ああ、大丈夫。ってか、シュンリちゃん、親おらへん・・・じゃなくて、居ないの?」
「・・・エエ。死ンダノヨ。二人トモ。」
「・・・・・。気の毒やな。シュンリちゃんはどうしとんの?」
「私ハ、働イテ一人デ生活シテル。」
よく言葉に苦労しないものだ、とキャプテンは思う。
そんな外国語に慣れなくていい仕事なんてあるのだろうか、と。
「大変やね。どんなバイトしとんの?」
「エッ・・・」
ここで、シュンリの表情が変わった。
目をせわしなく動かし、慌てているような迷っているような様子になっている。
人に知られてはいけない職業なのだろうか。
キャプテンは一瞬、その内容が売春なのではないかと思い、これ以上聞くのをやめた。
(そりゃさすがに聞いちゃまずい・・・。)
心配だが止める勇気がない。勇気はないが心配になる。
優柔不断になりながら、キャプテンはいきなりシュンリの持っていたピンクの携帯をもぎ取り、メールアドレスを交換する。
シュンリは、何が起こったのだと丸い目でこちらを見ている。


