トリップ


「ア・・・アリガト、ゴザイマス。」

片言。先ほど間違い電話で外国人と話したばかりで、何故か懐かしく思える。
「ああ・・・どういたしまして。」

そう言った瞬間、少女が目を剥いた。
そしてゆっくりこちらに近づく。
近づくごとに少女の肌黒さが余計に際立って見える。

「・・・あなた、キャプテン?」

キャプテンと言う言葉しか分からなかったが、自分のことを知っていると窺えた。

「ああ、はい・・・キャプテン・・・。」
「ヤッパリ!」

片言だが、喜んでいる様子が分かる。
しかし、片言と言うのに妙に聞き覚えのある声だ。

「あの~・・・どちら様?」
「間違い電話!」

少女の声に、数少ない客がこちらを向く。
あなたの名前は間違い電話なのかと問いたくなるが、冗談を言ってられるような雰囲気ではない。
間違い電話と言ったのは、きっと何か伝えたい事が間違い電話に共通しているのだろう。
すると、「間違い電話」と言う言葉と少女の声で、キャプテンはあることを思い出した。

「・・・シュンリちゃん?」