炒め終わると、弟達に向かって呼びかけた。
「おーい、飯できたで」
それを聞くと、待ちわびたと言うように2人が飛んできた。
米を盛り付けてやると、タダムが慌てふためきながら野菜炒めに手を伸ばす。
そういえば朝部活があったんだっけ、とキャプテンは先ほどのタダムの言葉を思い出す。
朝食を済ませると、キャプテンは皿を洗いながらふとあることに気付いた。
まだ〔この世界〕に来て少しなのに、何故こうも馴染みやすいのだろう。
馴染みやすいのも、やはりトリップの影響なのだろうか?
それとも、物語の通りにここの時間が進んでいるからなのか?
たまに気付かずにこの空気に流されそうになってしまう。
(ま、今はそんな事考えんでいいか。)
考える事が嫌いなキャプテンは、疑問を頭から振り払い、さっさと皿を洗う。
(そうそう、考えんとくのが一番。気にしたらあかんのやて。あのときみたいに・・・)
不意に小学生の頃の記憶が蘇った。
中学生の時の教師のトラウマと同じく、嫌な思い出だ。
『コイツ人間じゃね~し~』
『生きてんじゃねーよ、キモッ』
遠くから自分に飛んで来る愚痴が蘇った。
しかし、めそめそとはしない。
気にしないのが一番だと言う事を、この暗黒時代に思い知らされた。
『お前死んでもいいんじゃね?』
そんな事知るか、と昔言われた言葉に対して言い返す。
(人間なんて・・・いつか死ぬやろ。)


