トリップ


・・・・・・

だから言っただろう。
気を失ったエリカを見て、リクは思った。
しかも頭に傷がある。ガラスか何かで切ったのだろう。
これは教師に知られたら怒られるだろうな。

殺し屋よりも後の自分のことを考えていられるくらい、リクには余裕があった。

「誰だてめぇ」
仕事を邪魔された殺し屋の男が、顔をしかめてこちらを見る。
声が緊張している。今目の前にいる相手が一般人でないことを悟ったのだろう。

「守り屋か・・・?」
「だったらどうした。」

余裕がありすぎて、笑みすら浮かべてしまう。
最近の殺し屋は、相手が守り屋になると何故か恐怖した様子を見せる。
「フッ・・・」

男の顔から恐怖が滲みすぎて、つい笑ってしまう。
「・・・何笑ってやがる」
「いや・・・怖がっている様子が見え見えだと思ってな。」

その言葉にカッとしたのか、男がリクにナイフを振ってきた。
しかし、そのナイフを軽々と避け、一呼吸すると同時に後ろを見た。
動けないエリカを巻き込まないように、男を遠ざけるようにした。
相手にわざとナイフを振り回させ、自分を壁に追い込ませる。
エリカがいたところより右の壁に追い込ませたところで、男が不敵の笑みを浮かべた。
勝ったとでも思ったのか、と思うと、リクは懐から拳銃を取り出し、引き金を引いた。
パンッ!