トリップ


「ど・・・どうやってキリちゃんの事とかうちのアドレスまで・・・」
「簡単さ。裏社会の情報網は凄いんだぜ?アンタを殺すのにここまで手間がかかるなんて思ってなかったけど。」

殺す・・・。
それを聞いて、ある用語が頭に浮かぶ。

「殺し屋・・・?」
「おっ、よく分かったな。」

何とも愉快そうな口調だ。人を殺すこと・・・楽しんでるの?
私は逃げ道を探ろうとするが、出口の前に男がいて逃げられない。
先輩に会った時のように、弱そうな姿を見せず、強張った顔で男を睨む。

「へぇー・・・怒った顔も可愛いじゃん。」

喜ばしくも嬉しくもない。
私は心の中で言い返してやる。殺すことに抵抗が無いどころか、楽しそうに・・・。
裏口は無いのかと思い、更に奥に進んでいった。
走り出した私を見て、男も追いかけてくる。

しかし、あったのはガラスだけで、その他は何も見当たらなかった。
追い込まれた。
左右を見ても何も無い。

「おい」

後ろから声がしたと同時に、男に体当たりされて後ろのガラス窓にぶつかった。