「もういいですよ。それに・・・」
「?」
「あんまり・・・そうゆうことで・・・人に怪我して欲しくない!」
声を強めて言ってやると、リクは以外にも驚いた顔をしていた。こんな事を言われるのは初めてなのか、リクはしばらく呆然と立っている。
エリカは走り出してマンションに向かって行った。
(本気で思っとったこととはいえ・・・ちょっと言い過ぎたかな?)
後になってからそう思い始める。
キャプテンはもう帰っているだろうか。
そんな事を考えながら走っていると、エリカの携帯が鳴った。
〔今寄り道してる。良かったらエリカちゃんも来ない?面白い事やってるから、新宿ワインって名前の潰れた店あるから、そこに来て。キリダ〕
「・・・キリちゃんから?」
メールで方言を使わないキャプテンなんて珍しかった。
それに、世間知らずで都会にあまり詳しくない彼女が、そんな場所を知っているとは意外だった。
しかし、キャプテンに対する疑いなどは無かった。
きっと誰か友達と来ているのだろうし、だったら場所ぐらい知っているだろう。
一瞬の迷い無く、エリカはその廃店に向かって行った。


