一瞬だけ、隙間風で空手の道着や同人誌が揺れる。

キャプテンは、冒頭の「来た」と言う言葉を見つめた。小説の最後に、現在の様子が刻まれる。

「じゃあ、最後はこう言うべきなんか」

手首につけてあったベルトが、本当にあったことだということを物語る。

シメの言葉が刻まれた。


「戻った」