トリップ


「そんな様子じゃ、好きな奴もいないって感じだな」
「おらん。ってか、作るつもりもさらさらない。・・・でも、まぁ」
「まぁ?」

キャプテンが面倒そうに右頬を掻く。その仕草が、俺はとても気になった。「まぁ」で・・・何なんだよ。

「好きになりそうだなって奴は・・・うん。そこらの携帯小説みたいにとっかえひっかえ付き合う軽い奴よりも、長い間ずっと好きでいてくれるほうがいいな。適当な恋愛は死んでもしたくない」

少し、キャプテンと俺は離れているような気がした。キャプテンは一度の恋愛を重んじるが、俺は、気分次第の付き合い。今まで違法な事だって平気で出来ていたのに、これだけは、本当に嫌だなと感じる。

「まぁ、好きに至る事はないと思うけどね。そっちは、恋愛に困ることはないやろうね。イケメンは大抵、顔で落とせる」

落とせないんだよ、よりによってお前(キャプテン)が。

いつもなら、相手から言ってくるのに、何となく敗北感があった。
友達から始めると「こういうこと」は意外と難しいんだ、と改めて思う。今まで、友達はいなかったからだろうか。

「お前さ・・・」

俺はふと思ったことを聞いてみる。

「何で、俺みたいな危険な奴でも仲良くできんの?」
「えっ・・・?」

意外そうな目で俺を見てきた。どう言おうか悩むような顔をした後、うん、と呟く。

「うちの友達みたいに、なりたいで」
「何だよそれ」
「理由は言えんけど、うちの目標の子みたいになるのがうちのやりたいこと。それが、ケイラの質問の答え」