「ちょっちょっ・・・嘘はよしなさい!」
どうやら、一番驚いていたのは言われたキャプテン自身のようだ。今のうちに、俺は口ごもっているキャプテンの手を引いてさっさと逃げる。
あの場所から少し離れると、俺は一応「ごめん」と謝る。
「あいつらから離れるにはああするしかなかったんだよ」
「うーん・・・。そりゃそうに決まっとるけど、前もって言ってくれんと・・・せめて一瞬でもいいから言ってくれれば」
「混乱した?」
「したした。しましたとも」
「慣れてねぇの?そういうことって」
「・・・女同士でもたまにダメなのに、異性はもっと無理」
なるほど、と俺は思う。キャプテンは、エロ本などの見るものは好きでも、いざそれが自分になると全くダメなタイプなんだな、と。
「その様子じゃ完全なうぶ・・・。お前、恋愛系は絶対未体験だろ」
「元々、恋愛とか甘ったるいもんは嫌いやよ」
「じゃあキスとかも無理なの?」
勢いに乗って唐突にそんな事を聞いてしまった。言った後に「うわ、やばい」と気付く。
案の定、キャプテンは思い切り首を横に振って否定する。何だか面白くて、少し意地悪したくもなる。
この行動はキャプテンにとって「無理に決まっとるって!」と言ったつもりと言う事は分かっていたが、あえて俺はこう言う。
「ふぅん、無理ではないのか」
「いやっ、違う、そうではない!その逆!」
「そういうところハッキリさせねぇと、勘違いされるぞ」
「それはない!というかうち、そんな事聞かれんもん」
大慌てしている顔は少し冷や汗をかいている。こいつ、そうとう重いな。


