きっぱりと断るが無理矢理に腕を引っ張ろうとする。この腕をナイフで切り落としてやろうかと思うが、人目に晒されるといけないのでやめておいた。
また振り払おうと考え始めた時、丁度目の前に通ったのは、俺が一番必要と思っていた人物。買い物袋を下げて、隙間のありすぎる薄い長袖に、迷彩のズボン、スキップした時にポニーテールが揺れていた。
なぜ彼女がここ渋谷に来ているのかが不思議だったが、今はそれ所ではない。巻き込んで申し訳ないと思いながら名前を呼ぶ。
「キャプテン!」
「はいぃぃっ!!」
俺の声に反応し、キャプテンは飛び上がって俺を見る。そして周りにいる遊び人風集団を見て、ゾッとしたような目で彼らを見る。
キャプテンにとって「ギャル」とは未知なる存在なのかもしれないと思えた。
「どうし・・・いや、どうなされたの?」
周りの遊び人の男女がいたせいか、怖いのかキャプテンは敬語を使う。
「だれ?知り合い?」
「同人誌って、オタク?ウケるんですけど!」
普通なら反論する所、キャプテンは苦笑して「ああ、はい、はい」としか言わない。俺は女の手を振り払ってキャプテンの元に走った。
悪いと思うが、今彼らから逃げるためにはこうするしかない。
「俺は、こいつが好きなんだから、もう関わるなよ!」
全員が唖然とする。そしてキャプテンも「うーそーだー!」と口をぱっくりと開く。きっと彼らは「こんな奴が好かれるわけないだろ」と言いそうな顔だった。


