高校に入っても、入学できたのは県立でも一番頭が悪い所。俺の容姿が気に入らず喧嘩を売って来た者を、立ち上がれないようにしたら一発で退学処分を喰らった。
その日の夜、当然の如く父親に叱り付けられる。

「バカかお前は!」

平手打ちを喰らう前に、俺はその一発を身をかがめて避ける。余計に怒らせてしまったのか、父親は壁に拳を叩きつけたのを覚えている。そんな父親に俺は言った。

「自分のガキに全く育てる意志を見せなかった親が、今更何なんだよ」

怒鳴らず、そっと言ってやると、父親の青い目が充血して赤色にも見えた。そして、制御が出来なくなったのか、こう言い放つ。

「お前はうちの子供じゃない!」

どうとでも言えよ、と覚悟は出来ていたはずだったが、この一言にはさすがに傷ついた。

「ただのクズだ!!」

さすがにいけないと思った母親が止めに入ると、父親はハッとして正気を取り戻したように俺を見てきた。しかし、俺もその一言でかなり怒った。

そのまま部屋を出て、靴を履く。追いかけてきた父親に、俺から言う。

「クズなんていらねぇんだよな?じゃあ出てってやるよ」
「待て・・・」
「クズって呼んどいて引き止めるんじゃねえっつうの、ここの子供じゃないっててめぇが言ったんだろうが!」

勢いよくドアを閉めると、俺は自分をクズと呼んだ親の元からさっさと出て行った。