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今日のの悪夢で見たような情景が、また彼の目の前に広がる。
ドプン、と沼に落ちて沈んでいくような嫌な感覚で、ホロリと流れた悲しさの雫だけが暗闇で光り、上へ上へと上っていく。
少し前、突然集いの場のにやってきた狐顔の男を不意に思い出した。
殺しについて快感を感じているような笑みを浮かべていたが、それは違う、とリクは思う。あれは表情だけだ。
目の色は、自分と同じくらいに淋しい色をしていたのが、分かったからだ。
――俺もそろそろ終わりか。
そう思ったと同時に、再びあの苦しさが蘇ってきた。喉の中を鉛で固められ、窒息させられるよな呼吸の苦しさと、当時と同じくらいの痛みを感じさせる右肩。
何よりも、今までずっと溜め込んでいた孤独感と敗北感、後悔にいきなり押しつぶされるような苦しさが一番辛かった。
土岐のことを思い出したからだろうか。
あの日まともに恩人を助けられなかった、銃に怯えて、とっとと逃げ出して来てしまった自分に腹が立つ。
ごめんなさい――
よりに寄って、一番大事なあなたを、守れなかった。
俺はやっぱり、陸じゃない。人を落とすしかできない、天でした――。


