その時、電話越しに「ガシャン」という音が聞こえた。電源をつけたまま、どこかに落ちたのだろう。そして、聞いたことの無い声が聞こえる。
「こんな所で仲間と連絡か?ガキ」
余裕と殺意のこもった声。エリカとジュマは顔が真っ青になった。
「リクさん?リクさんっ・・・!」
「ちょっと!どうしたのよ!」
向こうから声は聞こえない。本当にまずい状況だ、と全員が確信する。
「先輩っ・・・」
そう言った瞬間、その場にいる全員が呆然とするようなことが起きた。
「来るな!!!」
初めて聞いたリクの怒鳴り声。全員が目を見開き、何が起こったのかわからないという表情をしている。
しばらくすると秋乃は電話を閉じ、玄関を飛び出した。ジュマも慌てて駆け出す。エリカも付いて行こうとした時、秋乃が振り返って言った。
「あんたはダメ」
「え?」
「巻き添え喰らうよ」
それだけ言うと、秋乃はさっさと走り出してしまう。それでも我慢できず、エリカも後に付いて行った。
「エリカさん・・・来るなって言われたじゃないですか」
「先輩が誰に言ったか・・・分からんやろ」
「それでも・・・彼に連れてくるなって言われたんです」
「えっ・・・」
途中で立ち止まりそうになるが、すぐに足を動かす。


