「大袈裟にドアを開けて・・・何かあったの?」
気品と迫力を漂わせているようにも見える秋乃は、完全に階段を降り切ると、親が子に送るような視線でジュマを見る。
「秋乃さん・・・あの、リクさんって、帰って来てますか?」
「ううん?まだ帰ってないけど。そういえばそろそろ帰ってくる頃よね」
秋乃の言葉に、ジュマもエリカも顔を見合わせた。学校にもいない。帰って来てもいない。そして、仕事についての連絡も無い。
ならば、ドコにいる――――?
「何なのよ、真っ青になって・・・」
ジュマの顔を覗き込もうとして、秋乃が歩み寄る。もちろん、エリカの姿も目に入った。
「あれ?アンタ・・・。夏の時の、っていうか紅涙の――」
目を丸くして「何しにた来たの?」と問う。それに応じるように、エリカは「これを見せたほうが良いってこの子が」と言いながら紙を渡す。
「ジュマが?」
「はい」
エリカが答える前にジュマが言う。体力が回復したらしく、荒い息遣いは無かった。秋乃は先ほどのジュマと同じように目を動かす。
「マフィア崩れ?」
「はい。それについて、連絡もらってないんです。秋乃さんは・・・?」
「来てないよ、そんなの初めて聞いた」
「彼が極秘で仕事なんて・・・ありえないですよ」
「ったく・・・アイツまた何か1人で背負い込もうとしてるわけ?」


