トリップ


「とりあえず・・・これは秋乃さんに見せます」
「秋乃さん?」

エリカは夏に見たあのスタイルの良い守り屋の女性を思い出す。

「リーダー?」
「いえ、ただ守り屋の中では一番統制力ある人だから・・・指示を出してくれるかと・・・。私じゃあ、何ともなりませんから」

ジュマはそう言った後で小声で「弱いですから」と独り言のように呟く。

「念のため・・・エリカさんも付いて来てくれますか?」
「え?」
「秋乃さん、あなたがこれを拾った時間とか正確に聞くだろうから、来てもらわないといけないんですよ。50%の確立でそうなります」
「五分五分・・・」
「い、いいじゃないですか」

むっとして言うと、すかさずジュマは走り出した。「ここから近いですから、出来るだけ走ってください」と言いながら駆けて行く。
エリカもすぐに駆け出したが、彼女が追いついた頃にはジュマのほうは体力の限界が近いかのように荒い息遣いで走っていた。

(草食系・・・)

そのまんまの者もいるんだなぁ、とエリカは少し感心してしまう。

「リクさん・・・学校にいなかったなら絶対むこうにいるだろうから、心配は無いと思うんですけど・・・」
「うん。念のため、やよね」
「はい」

集いの場まで走っていきドアを開けてから、ジュマは目をあちこちに動かしてリクか秋乃のどちらかを探す。すると、階段から「どうしたのよ」と言いながら女性が降りて来た。秋乃だ。