しばらくし、トイレの中から出てくると、紙を握り締めて校門まで歩き、校門を出ると一気にとある場所まで走り去っていく。
十五条高等学校――
本来は『キャプテンがいる学校』という見方なのだが、今回用があるのは別の人物だ。
ジュマに用があったのだ。
集いの場の場所を忘れてしまったので、とりあえずジュマを捕まえて例の紙を渡すしかない。
門の前まで来ると、早速1人で出てきたジュマを捕まえた。まるで誘拐するようなやり方だが、今は仕方ない。
「どっ、どうしたんですか」
戸惑ったような声で言ってくるので、エリカは少し学校から離れたところでジュマの方を振り向く。
「先輩に、渡したいモンがあるんやけど」
「え」
エリカの姿を見たからなのか警戒心を解いたジュマは首を捻る。「先輩って、リクさんですか?」と遅く口にした。
「うん」
「あの人に何か用ですか?ってか、関わらないんじゃ・・・」
「ごめん。どうしても渡したいモンがあるんやて」
「渡したいもの?」
どれですか、と聞いてきたので、エリカはサッと例の紙を渡す。写真や文字をじろじろと見つめてから、ジュマは「あれ?」と間違いを見つけたような声を出す。
「どうしたの?」
「これ・・・今日落ちてたんですよね?」
「ああ・・・うん」
「私たちは、こういう情報や仕事が入ったら真っ先に連絡するものなんですよ。リクさんなんて特に几帳面だから絶対連絡するはずなんですけど・・・」
おかしいですよ、と心配そうな瞳をエリカに向ける。何か悪い予感を察しているようであった。


