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その小1時間、エリカは通路で1枚の紙を手にした。なんやろこれ、と方言が丸出しの言葉で呟く。
手にした紙には、2人の男の写真が載せられていた。髪を整えたスーツの男と、太っていて大きい男だ。
エリカの目線から言えば『物騒そうな人たち』にも見えるだろう。
(なんやろ、この人んたぁ・・・)
教室に持ち帰ってよく紙を呼んでみると、何やら訳の分からない用語が沢山出てくる『依頼金数十万』や『小型拳銃やピストルを得意としている』などと書かれていた。
(ピストルとか?)
何となくこの言葉で感づき始めた。まさかと思いもっと下の文を見てみると、やはりと思わざるを得ない用語が載っている。
『マフィア崩れだが、なおも仕事を引き受ける』
うわあ、やっぱりだ、嫌な予感が見事に的中し、頭を抱えそうになる。こんな物を平気で持ち歩くなど1人しかいない。
「先輩・・・落としてったんかな」
後で届けてやるか、と考え出す。鞄に教科書を入れている最中にふと思った。彼はたまに弓道部に遊びに行く事はあるが基本帰宅部と聞いたことがある。もしかしたらもう帰っているかもしれない。
帰りに3年生のクラスを見ていったが、リクの姿は見当たらない。職員室をこそっと覗いてみても、やはり見当たらなかった。
「モトジマさん」
ビクッとして振り向くと、あのよくリクを呼び出す教師の姿が目に飛び込む。


