さっきから何度もナイフを受け止めている。その代わりに、俺の胴体はそこらじゅうズキズキと痛んでいた。
ナイフを繰り出してきたのと同じ回数、拳も繰り出してくる。さすがに頭を殴られては困るので最小限の動きで避けたが。
やっと相手に隙が見え、思い切って首筋を狙ったが、それよりも早く俺は煙玉を1つ破裂させて、全体的に見えなくなったところで1つ下の階に下りて物陰に姿を隠す。
理由は、あの戦っていなかった男のせいだ。
あの時、その男は懐から拳銃を取り出し、俺のほうに向けて狙いを定めて2、3発発砲してきたからである。それに驚き、煙玉を使った。
しかし、一時しのぎなのですぐにまた探しに来られるだろう。
少し考えてまた戦おうと立ち上がるが、そこでガクンと膝をつく。さっき体中殴られたのを含め、一番の致命傷は鳩尾を殴られた時と、発砲された時の右腕の傷だ。
俺は右利きなんだぞ。
この状況でそんな事を考える。


