「最後に。このガキと喋りたけりゃ時間はやる。代わってやるよ」
別に話すことなんてないのにな、とキャプテンはワンパターンの漫画の演出をさせられたような気分になる。
「お前、大丈夫か?」
「うん、腹減ったけどそれ以外は何もない」
「本当だな?それ。手荒な事されてねぇな?」
「あー、ないない。同人誌の看板が偽物やったってことはショックやったけど」
「・・・その様子じゃ何も無いな」
張り詰めた空気が、一瞬であったが消えた。
「良かった・・・」
普段聞かない、優しい声だったが、キャプテンには何が良かったのか分からない。ケイラは「今行く」とだけ言うと、すぐに電話を切った。
「なんだ、意外と早く終わったな」
「うん」
その言葉を聞くと、小久保はまたキャプテンの手を縄で縛りつける。
「ここまでしんくても(※しなくても)逃げへんって」
逃げてもどうせ捕まるし、とキャプテンは付け足すように言う。


