「大丈夫だ。襲われても返り討ちにするまでだ」
その言葉にムッとしたのか、男は短刀を取り出し、リクの首に当てる。そんな中、彼は眉1つ動かさず、短刀を持つ男の腕をそっと退けた。
「冷静だな、おい」
「冷静も何も、殺気が伝わってこない。もとから脅しのつもりだっただろ。それとも、試すつもりか」
「ああそうだよ。そんな所見てると、お前がリーダーって感じだな」
「いや、リーダーじゃない。それに、ここには」
「格差はない。だろ?」
「・・・ああ」
落ち着いた会話をしながら、リクは男を招き入れた。
玄関の段差に座ると、リクは男を横に座らせる。
「話は聞いた。俺達に協力しろって言うのか?」
「達って言うか、お前に来て欲しいんだけどな」
「・・・相手は、そんなに強い相手なのか、それとも大勢いるのか?」
「いや、若い1人の殺し屋」
リクの目に、後ろで動揺した表情を見せるジュマが映った。若い人間1人相手に大勢でかかることに驚いたのだろう。


