「キャプテンさん」

ジュマがいつもより落ち着いた口調でキャプテンに話しかける。あまりに落ち着いていたので、キャプテンはジュマが別人になったのではないかと目をこする。

「私のバイトの先輩が話があるらしいので、キャプテンさんは、帰っててください」
「あ・・・あぁ、分かった」

呆然としつつも、キャプテンは自分が返事している事を確認する。彼らが行ってしまうと、キャプテンは自然と「変なの」と呟いた。



「お前、守り屋だろうが」
「道中に何度も聞かないで下さいよ。周りに聞かれたらどうするんですか」
「知らない奴だって大勢いる。一般人くらいなら「何だそれ」で済むだろ」

気にしてくださいよ、とジュマは鬱陶しそうに言う。

「で、何の用ですか」
「お前、あの集団の守り屋だろ」
「集団?集めようと思えば集まるじゃないですか。人材は」
「お前らは、アレだ。公民館に大勢で集まって、捨て子を育てたり、家族みたいに過ごしてるっつう、いわゆる団結力の強い守り屋集団だろ。しかも、執念深い」
「失礼ですね」

執念と言われ、ジュマは顔をしかめる。