(やばかった・・・)

みんなが止めてくれなかったらきっと自分は殴りかかっていただろう。
最悪だ、とキャプテンは思う。どうもトラウマの事になると、自分は怒りの制御が出来ないようだ。
キャプテンはクラスメイト達に感謝する。

これ以上心配をかけないように、とキャプテンはその後はいつも道理に振舞う事にした。もう今よりも引かれたいとも思わない。

昼休みになり、キャプテンはふと思う。

―現実にあんなことがあったで、うちはこんなシーン書いたんかな?

そんなことが頭に浮かぶ。
自分の意思でトリップしたのかどうかは知らないが、この物語は、自分を癒すために創ったのだろうか?

「・・・ま、知らんことにしよっと」

校庭の木が、紅葉になりかける。