いきなりそんな事を言われて焦り気味のケイラに対し、キャプテンはポカンとした顔で見ている。
「何焦っとんの」
「てっ、てめぇが変なこと言うからだろうが」
「えぇ?『似合う』しか言っとらへんし・・・変態な発言は今日はしとらんはず・・・」
どうやらケイラの勘違いのようなものだったらしく、呼吸を整える。
「っつうか、何が似合ってたんだよ」
「いや、ベルトとかってパンクに似合うと言うか、ヤンキー系でも似合うし、ケイラってパンク系に見えるし」
「・・・そういうことかよ」
なんだ、と胸を撫で下ろすが、同時に舌打ちしたい気持ちも顔を出す。
唇を尖らせたと同時に、2人の背後で盛大な爆発音が聞こえた。あ、これは、とキャプテンは懐かしい気持ちで振り向く。
「花火!」
色とりどりの花火が空で輝いている。キャプテンは友達と見た故郷での花火を思い出す。
濁りの無い川での河川敷。皆で食べたコンビニの弁当。坂道から花火を見た記憶も蘇る。
「腹、減ったな」


