「モトジマも知ってるだろうが、守り屋と一般人は関係を深めちゃいけない。弱いほうが巻き添え食らうからな」
「ああ・・・それは・・・まぁ。」
「今日は俺も少し甘かったし、何より仲間が言ったからでもあるが、こうやって喋るのはもう今日限りだ。立場的にも、住む世界としても、あまり関わり合っちゃダメだ。でないと・・・」
「自分が巻き込まれるぞ・・・ですか?」
「よくわかったな」
別れ言葉のように聞こえ(そのようだが)、彼の口から聞くのが嫌だったので自分から言う。
今日限りというより、以前デパートで会った時もそれらしいことを言っていたではないか、と言ってやりたくなる。
「まあでも」
リクはわざわざエリカの目線までしゃがみ込み、そっと言う。
「俺達の正体を知っても、差別するどころか、心配してもくれてたな。最初」
「そう・・・なんかな」
「ああ」
はっきりではないが、小さく口元を歪めるのが見えた。
「そう言う人想いな所、俺は好きだと思うけど、な」
「えぇ・・・?」
この硬派なリクに、気に入られるところがあったというのだろうか。思わず首を傾げたくなる。


